- 不動産コラム
不動産購入における「旧耐震物件」について
不動産の市場を見ると、旧耐震の物件はやはり安く、活発に取引されているようです。
「旧耐震の物件ってどうですか?」と質問されることも多いのですが、
結論を先に申し上げると、私個人的には、旧耐震の物件はお勧めしておりません。
耐震性のみを考えると、東日本大震災や阪神淡路大震災でも新耐震と比べて被害に差はさほど無かった、というデータが有るのは事実です。
旧耐震お物件であっても、そう簡単に倒壊するようなことは考えにくいとは思います。
※ただし、1階が駐車場になっている、いわゆる「ピロティ」構造の旧耐震は倒壊のリスクは高いとご認識ください。
上記のみを考えると、外観等が許容出来るのであれば、中身はリノベーションをすることで新築同様にはなるわけですから旧耐震でも悪くないのでは?を思われがちですし、ここまでしか説明をしない営業マンも多いと感じます。
旧耐震物件の購入をお勧めしない本当の理由
ですが、私が旧耐震をお勧めしない理由は上記以外にあります。
それは、
「住宅ローンが組みにくい」という点です。
ご存じでしたでしょうか?
例えばメガバンクのみでお伝えすると、
1行は、旧耐震というだけで住宅ローンは通りません。
1行は、2021年頃からでしょうか旧耐震に対してはかなり厳しめになりました。属性が良ければ旧耐震でも承認となるかもしれませんが。。
もう1行は、旧耐震でも問題有りません。
このように、旧耐震というだけでローンが組めない金融機関は案外多いものですし、他の金融機関でも旧耐震は取り扱わないところも増えてきました。
この事実を伝えずに、問題の無い金融機関のみを紹介している営業マンというのは結構多いと思います。
組めるのであれば良いじゃないか。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
例え今は良くても、住宅スゴロクとも言われるような、ライフスタイルに併せてマイホームを買い替えることも珍しくはない時代になりました。
これから10年後、20年後に買い替えを検討する必要が出た時に、今より住宅ローンが組みやすくなっている、と思えますか?
もしかすると、今よりも耐震補強工事の普及は進み、むしろ今よりも住宅ローンが組みやすい、という未来も有るかもしれませんし、建替えも容易に出来るようになり、さほどの持ち出しをせずとも新築を手に入れられる可能性だってあります。
耐震基準が再度見直され、現状の新耐震マンションがいつか、今で言う旧耐震と言われる時代が来る可能性だって否定は出来ません。
ただ、こういった憶測はあくまでも不確定要素でしかありません。
私は、上記をご説明した上で、ご判断はご本人様に委ねています。
どうしても旧耐震しか選択肢を持てない場合
そうはいっても、「住みたいエリアと予算を考えると旧耐震しか買えないんです」と仰る方ももちろんいらっしゃいます。
■本当にエリアを変えることは出来ませんか?
住み慣れたエリアを離れたくない、このエリアに住みたい、といったお気持ちは重々理解出来るのですが、旧耐震を購入することのリスクを超えるメリットを感じますか?
■無駄使いの支出を見直して、予算を上げることは出来ませんか?
案外無駄遣いは多いものですし、保険を見直すことでかなり予算を捻出することが出来るとこも多々あります。
上記等の質問をした上で、それでもお気持ちが変わらないようであれば、私は、
「であれば、立地の良い旧耐震を選ぶことでリスクを下げましょう」とお伝えしています。
不動産の相場は、立地による要素がかなりの割合を占めています。
立地が良ければ、万が一売れなかったとしても賃貸には出しやすいかもしれません。
立地が良ければ、将来的に建替えを実現出来る可能性も高まるかもしれません。
立地が良いということは、住む人が大幅に減少する可能性は低く、マンションであればしっかりと修繕を行っていけるかもしれません。
前半に述べたリスクを少しは軽減出来ると思います。
旧耐震の場合は、出来れば5分以内、最低でも7分以内という条件は優先度を高くされるべきだと思います。
耐震性に関しても、地盤の固い立地の旧耐震と、地盤の緩い立地の旧耐震ではリスクも当然変わってくるわけですから、トータルに判断するということが非常に重要です。
ですが、安易な考えで旧耐震の物件を選ぶ、ということは避けていただければ幸いです。
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更新日:2023.04.11